それでもかぶはぬけません

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映画「アマデウス」とモーツァルトの死の真相ついて

8/13に映画「アマデウス」の舞台であるエステート劇場訪問記を書きました。

今回は映画「アマデウス」のモーツァルトの死の謎について掘り下げて書いていきたいと思います。

nikorich9.hatenablog.com

 

 

モーツァルト毒殺説

映画「アマデウス」はモーツァルトの死因として有名な逸話である毒殺説に基づいたストーリー仕立てとなっています。

モーツァルトと長年対立してきたオーストリアの宮廷音楽家アントニオ・サリエリによる毒殺です。

映画はモーツァルトを死に追いやったことから自責の念にかられ精神を病んでしまった晩年のサリエリによる罪の告白という形で物語が語られていきます。

サリエリは罪の告白の中でモーツァルトの殺害計画をほのめかすシーンがありますが、回想の中で毒を盛ったり、直接手を下すシーンはありません。

どちらかというと精神的に追い詰めて、心も体もぼろぼろになり、病床に伏せたモーツァルトを酷使して、過労死させたようなかんじです。

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…さて、本当のところはどうだったんでしょうか。

 

現在ではサリエリによる毒殺説はほとんど否定されています。

アマデウスの中で描かれているようにモーツァルトはイタリア人だらけのオーストリア宮廷音楽家から良く思われていませんでした。

モーツァルトは自分のキャリアをサリエリを含むイタリア人音楽家によって邪魔されているといった内容の手紙も残しているようです。

不仲説やサリエリによる毒殺説はこのような事実からきているのでしょうが、レクイエムを依頼したのはサリエリではないし、毒殺する動機もないようです。

サリエリモーツァルトのオペラ「魔笛」を高く評価していたという手紙が残っているように実際は実力を認め合うライバルのような関係だったみたいです。

 

モーツァルトの真の死因とは

それではモーツァルトの真の死因は何だったのでしょうか?

興味深い記事をみつけました。

何でモーツァルトはあんな惨めな葬式・埋葬だったのか....。これが最大の謎である。
 これについて上記の「モーツァルト・ノンフィクション」には興味深い説が書かれている。実は、この本はモーツァルト・ファン及び研究者の間では大変評判が悪いものである。なぜなら、この本は、「モーツァルトは梅毒だった」と書いているからである。愛すべきモーツァルトが梅毒とは!ということで評判が悪いのかもしれない。

映画「アマデウス」解説

なんと、モーツァルトが梅毒だったという衝撃の真説である。

梅毒というとイメージが悪いですが、コロンブスがアメリカ大陸から梅毒を持ち帰ってから治療法が確立する19世紀末までヨーロッパの多くの人が苦しむ病気だったそうです。

さらにタチが悪いことに梅毒は母子感染するため、モーツァルトは幼少の頃から梅毒に苦しめられてきたと言います。

梅毒の抗生物質としてペニシリンが発見されるまでの梅毒の治療法はとんでもないものばかりです。

例えば、水銀の服用やヒ素の服用などが正しい治療法として信じられてきたようです。

もちろん水銀やヒ素なんて服用したら中毒症状を起こす人も多いわけで、そんなところからモーツァルトの毒殺説が出たのではないかと言われています。

また、梅毒の病原体が高熱に弱いことから腸チフスマラリアに感染することで高熱を出し、梅毒を治療するという荒療治もあったそうです。

この荒療治に失敗して、モーツァルトは命を落としたというのが真説です。

 

クラシック音楽界では梅毒の感染により多くの人材を失っています。

フランツ・シューベルトもまた梅毒を腸チフスで治療する方法に失敗して命を落としています。