それでもかぶはぬけません

それでもかぶはぬけません

日本人はなぜ幸福度が低いのか?幸福度と死生観の相関関係について

最近、あまりいいニュースというものを聞かなくなった気がします。

グローバルな競争で大きく後れをとる日本企業、高齢化社会による将来の不安、世界の情勢不安などなど、日本を取り巻く環境はお世辞にも良くなっているとは言えません。

しかし、それでも世界的には日本はまだまだ恵まれた国であることには変わらないはずです。

それにも関わらず、日本人はなにかと悲観的になりやすい気質をもっています。

なぜ、日本人の幸福度は低いのしょうか?

 

 

恐怖遺伝子を持っている割合が最も高い国は日本

f:id:nikorichsmbc:20170829222236j:plain

恐怖遺伝子とは

脳の中で恐怖を抑える働きをするたんぱく質セロトニントランスポーターは、遺伝子のタイプによって量が大きく異なるのだそうで、その量が少ない人は、恐怖を強く感じやすいのだそうだ。でもって日本人の場合には、こんな具合に世界最高峰の怖がり屋サンだということが判明したみたいなんだ。

karapaia.com

 恐怖遺伝子(不安遺伝子とも言う)とはその名の通り、恐怖を感じやすくなる遺伝子のことです。

一般的に東アジア人には恐怖を感じやすくなる遺伝子を持つ割合が高く、欧米人にはその遺伝子を持つ割合は低いと言われています。

さらにその東アジアの中でも最も恐怖遺伝子を持つ割合が多いビビり国家というのが日本だといいます。

もともと日本人はこの恐怖遺伝子を持つ割合が多かったのでしょうか?

その答えは定かではありませんが、恐怖感情というのは親から子へと遺伝するそうです。

恐怖というのは生存するために必要な感情であり、私たちのご先祖様が日本という地で生きていくために獲得した恐怖や不安という感情が他の地域に比べて、圧倒的に多いということかもしれません。

そういう意味では私たち日本人はエクストラハードモードのステージに生まれてきたのかもしれません。

f:id:nikorichsmbc:20170829224818j:plain

 

なぜ欧米に比べて東アジアは恐怖遺伝子を持つ割合が多いのか?

なぜ東アジア人は恐怖遺伝子を持つ割合が多いのか?という疑問に対しては、東アジア地域では昔から感染症に悩まされてきたという過去があるためと言われています。

日本のような人口密度の多い島国では一度感染症が入り込んでしまったら、一気にパンデミックを起こしてしまいます。

感染症を恐れる感情が恐怖遺伝子として受け継がれていき、余所者を排他する風土や狭い共同体や同調圧力といった日本の負の伝統をつくりあげてきたのでしょう。

しかし、このような恐怖遺伝子はあくまで生き残るために必要なものとも言えます。

最近では恐怖遺伝子を持つ割合が低いロシア人の若者の間で高層ビルに片手一本でぶら下がったりする遊びが流行っているようですが、案の定失敗して死ぬ人も結構いるみたいです。

恐怖遺伝子を持つ割合の高い日本人はそんなバカなことをしようとする人はほとんどいません。

f:id:nikorichsmbc:20170829230804j:plain

 

日本人の死生観の変化

f:id:nikorichsmbc:20170829232755j:plain

日本人が悲観的になりやすいのは恐怖遺伝子だけのせいではありません。

日本人の幸福度に影響を与えるもうひとつの理由とは死生観の変化です。

戦後の私たち日本人は裕福になるとともに死を身近に感じる機会が少なくなりました。

日本の治安は諸外国と比べても群を抜いて良く、さらに戦争も遠い存在になりました。

銃社会の海外は治安が悪いだけではなく、テロや戦争の恐怖も身近な存在です。

死と生は表裏一体の関係で、死を強く感じるからこそ生の喜びを強く実感できるものです。

日本人は死を身近に感じることが少なくなったため、生への感受性も低くなってしまったのかもしれません。

 

メキシコの風変わりな死生観

一方、風変わりな死生観を持つ国もあります。

メキシコでは死を重く受け止めることはありません。

メキシコの「死者の日」は日本でいうところの「お盆」にあたりますが、日本のお盆とは対照的に陽気で楽しい雰囲気に包まれています。

骸骨のお菓子を食べたり、仮装したりとハロウィンのような雰囲気です。

f:id:nikorichsmbc:20170829233237j:plain

彼らにとって死とはタブーな存在ではありません。

死は誰にでもやってくるものであり、恐怖や悲しみの対象ではない。

死があるからこそ、生きている今を楽しもうという感覚を持っているのです。

このようにメキシコで死を重く捉えない文化が生まれた背景には様々な理由が考えられています。

一説にはアステカ時代、生贄として神に捧げられることは大変名誉なことであったためとも言われています。

また、メキシコの先住民はスペイン人に侵略され、憎むべきスペイン人の血を引く子孫という暗い過去から死を軽く扱うようになったとの説もあります。

いずれにしてもメキシコ人にとって、死は目を背けたい事象ではないのです。

死を身近なものと考えることで、今の生を大事にしようという考えはメキシコの自殺率を見ても明らかでしょう。

メキシコの自殺率はとても低く、170カ国中137位という統計が出ています。

ちなみに日本は170カ国中17位です。

 

まとめ

日本人の幸福度と恐怖遺伝子や死生観の相関関係をまとめてきました。

歴史的な側面から日本人の幸福度が低い理由がなんとなく見えてきたと思います。

日本人に対人恐怖症が多かったり、自己肯定感が低かったりするのはある程度仕方ないことなのかもしれません。

こういった悩みを抱えていた人達は外的要因だから仕方ないと思えば多少楽になるのではないでしょうか。