ドルトムントがバイエルンに惨敗。バイエルン一強の終わらない悪夢
こんばんは、にこりっち9です。
昨日、DAZNの1ヶ月間無料体験に登録してブンデスリーガのドルトムントVSバイエルンを観ました。
首位バイエルンと2位ドルトムントの直接対決というビッグマッチで香川真司がスタメン出場ということで楽しみにしていたんですが、結果は1-3でドルトムントの惨敗でした。
今季からドルトムントを率いることになったボシュ監督の元では香川真司のスタメンの座は確実なものとは言えませんでした。
ライバルであるドイツ代表のゲッツェとスタメンの座を争う形になっています。
そしてバイエルンとの大一番ではドイツ代表のゲッツェを押しのけて、香川がスタメンを勝ち取ったのでアピールになる活躍ができればよかったのですが残念ですね。
バイエルンとの一戦から見るドルトムントの問題点
ドルトムントとバイエルンの一戦はブンデスリーガの強豪チーム同士の優勝争いであるはずですが、相当な実力差を感じました。
しかしマッチデータだけを見るとシュート数はドルトムントが上回っていますし、その他のデータもほぼ互角のように見えます。
しかし、実際にはバイエルンがチャンスを確実に決めて、1-3という結果になりました。
ドルトムントは選手間の戦術理解が統一されていないように見えました。
昔のドルトムントのように連動した攻撃は一切見られず、前線には選手が揃っているのにスペースがなくて常にパスの出し先に困っているような印象でした。
結局パスで崩すことができないため、カウンターかプリシッチのサイド突破に頼るしか方法がないといったかんじです。
また、ドルトムント選手の前線からのプレスは少なかったように思います。
一度、香川のボールカットからチャンスを生み出したシーンがありましたが、それ以外に有効だったプレスはほとんどなかったと思います。
ボシュ監督は4-3-3というフォーメーションを多様していましたが、今回は4-4-2というフォーメーションをとりました。
4-4-2と言えば、近年シメオネが率いたアトレティコやプレミア優勝を果たしたレスターなどが用いた超守備的カウンター戦法として有名です。
これらのチームが用いた4-4-2の特徴は2人のFWが豊富な運動量で前線からプレスをかけまくるのが特徴です。
なぜボシュ監督は4-3-3を諦めて4-4-2に変更したにも関わらず、前線からのハイプレッシャーをかけなかったのか疑問が残ります。
ボシュ体制のドルトムントは無冠の危機
今季のブンデスリーガはアンチェロッティ前監督が率いるバイエルンが珍しく序盤から勝ち点を落としていたため、リーグ序盤に首位を走るドルトムントはリーグ優勝の大チャンスでした。
しかし、バイエルンはCLでパリサンジェルマンにボコボコにされた後、アンチェロッティ監督を解任して、長年バイエルンを優勝に導いてきた名将ハインケス監督を呼び戻しました。
そしてハインケスによって再生されたバイエルンは監督交代してから現在まで全勝しています。
一方のドルトムントはというとCLではグループリーグの4戦やって勝ち星なし。
グループリーグ3位に与えられるEL参加すら危うい状況です。
また、リーグ戦は序盤こそ良かったものの、ここ最近で勝ち点を落としまくって3位まで転落しています。
そしてドイツ杯はこれまで順調に勝ち抜いてきましたが、次の対戦相手がバイエルンという絶望的状況です。
このままドルトムントが無冠に終わりCL圏内の順位すら逃せばボシュ監督は確実に解任されるでしょう。
こうなるとドルトムントのトゥヘル前監督が戦術面でいかに優秀だったかがわかりますね。
性格面に問題さえなければ解任されなかったのに・・・もったいないですね。
ブンデスリーガは再びバイエルン一強時代に戻る
ドルトムントが不調というのはブンデスリーガにとって結構重大な問題です。
2011-12シーズンのドルトムント優勝を最後にブンデスリーガは5シーズン連続でバイエルンが優勝しています。
ちなみに2010-11シーズンに香川真司がドルトムントに加入してブンデスリーガ優勝、さらに翌年の2011-12シーズンも香川は攻撃の要として奮闘してリーグ2連覇に導いています。
当時がドルトムント黄金期だったことを考慮しても、マンチェスターユナイテッドに移籍する前の香川がいかにすごかったかを物語っています。
ちなみにブンデスリーガは昔からバイエルンが飛びぬけて強く、過去の優勝回数を見てもダントツ1位です。
<ブンデスリーガ優勝回数>
1位:バイエルン・ミュンヘン(27回)
2位:1.FCニュルンベルク(9回)
3位:ボルシア・ドルトムント(8回)
しかし、5シーズンも連続でバイエルンが優勝し続けることなんてこれまでなかったことです。
黄金期のドルトムントが強さを維持できなかった理由
黄金期のドルトムントが強さを維持できなかった理由はチームの主力がビッグクラブに移籍してしまったことが原因です。
ドルトムントはブンデスリーガの中では強豪チームですが、世界的に見ればビッグクラブとしての実績に乏しいので、優秀な若手の草刈り場になってしまうのはある程度仕方ないと思います。
しかし、問題は移籍した選手のうちレヴァンドフスキ、フンメルス、ゲッツェがバイエルンに移籍していることです。
サッカークラブの収入ランキングを見るとわかる通り、バイエルンの収入はドルトムントの2倍以上あります。
さらにドルトムントは過去に経営破綻寸前まで追い込まれたことがあるため、高額の選手と契約したり年俸の高い選手を抱え込むことができません。
そういった理由からもドルトムントで活躍した選手がバイエルンに流出することを防ぐのは難しいのですが、これがブンデスリーガの悪循環を生んでいます。
ブンデスリーガの悪循環
バイエルンに移籍する選手の中にはタイトルを獲得したいからという理由を語る選手がいます。
プロサッカー選手であれば誰しもキャリアの中で優勝を経験したいでしょうから仕方ないのでしょう。
中にはバイエルンからのオファーがあったにも関わらずドルトムントに残ったロイスやセリエAで生涯ローマ一筋だったトッティみたいな選手もいますが、そこまでのクラブ愛を示せるのは珍しいパターンでしょう。
しかし、当然各チームの主力級の選手がバイエルンに移籍すれば、その分ブンデスリーガの競争力が落ちるので、どんどんバイエルン一強は進むばかりです。
こういった問題は別にブンデスリーガに限った話ではなく欧州中堅リーグにはよくある話なんですが、リーグが一強になるとUEFAリーグランキングが下がるという問題が発生します。
ブンデスリーガは一時期UEFAリーグランキング2位につけていましたが、近年のCLやELでのドイツチームの不振により4位まで後退しています。
UEFAランキングが1位~4位までのリーグはCLに上位4クラブが出場できます。
一方で5位~6位のリーグはCLに上位3クラブ(ELは3クラブ)までの出場となっています。
ブンデスリーガは4位につけているのでまだCLに4クラブ出場できますが、現在5位のリーグアン(フランス)に抜かれるとCLに3クラブまでしか出場できなくなります。
ブンデスリーガとリーグアンはだいぶポイント差があるため、すぐに抜かれる心配はないでしょうが、ブンデスリーガのチーム競争力がなくなりCLやELの舞台で勝てるチームが少なくなれば今後抜かれる可能性もあるでしょう。
まとめ
ブンデスリーガでバイエルンに並ぶビッグクラブが生まれるとしたら今のところドルトムント以外には考えられません。
一時期はレバークーゼンやシャルケなどもブンデスリーガの強豪クラブとして有名でしたが、近年はいまいちぱっとしません。
また、ここ最近ではレッドブルの資金力で急激に力をつけてきたRBライプツィヒがブンデスリーガに旋風を巻き起こしていますが、第2のマンチェスターシティやパリサンジェルマンになれるかはまだわかりません。
ドルトムントには一皮むけてブンデスリーガの二強としての確固たる地位を築いて欲しいものです。